父の姿を見て、自らも電工へ。

子供の頃、アーチ電工で働く父の仕事を見に行ったのを覚えている。そして今、自分も父と同じ職場で、電工としての道を歩み始めた。入社して間もない頃は、研修用の低い鉄塔に登ることすら怖くて、何もできなかった。やがて、仕事に夢中になっていくうち、怖いと思うことはなくなっていった。

今は、先輩に教わりながら仕事を覚えている真っ最中。現場では、一人ひとりが柔軟にポジションを変えながらチームワークで仕事を進めるので、一つのポジションの役割を覚えては、次のポジションの役割を覚える必要がある。仕事を教えてくれる先輩たちは優しいが、下手なことをすると危険が伴う仕事なので、時に厳しく指導されることもある。

工事の現場は九州中にあるため、ホテルや宿舎で出張生活を送ることが多い。夜は部屋に集まってゲームをしたり、くだらない話をしたりして過ごす楽しみがある。みんなで飲みに行くこともある。昔はやんちゃしていたように見える先輩たちだけど、意外にも真面目に仕事の話をすることも少なくない。実際、これまでに酒の席で大事なことをたくさん学んできた。

4〜5年ほど経験を積むと、若手でチームを組んで、鉄塔に電線を張る架線工事を任せてもらえる人もいる。まずは、そこを目指していきたい。まだまだ、父のように仕事ができるまでには遠く及ばないが、これから時間をかけて一歩一歩駆け上がっていく。

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